流通で入手できる少し特殊なフィルム材料②

材料技術

1.市販だが少し特殊なフィルム材料の紹介

汎用的なフィルム材料(PE/PP/PET)以外にも、市販されており特殊な用途に用いられるフィルム材料として、今回は4から6について紹介します。

  1. アクリル
  2. セルロース、セルロースアセテートorアシレート(CA)
  3. 塩化ビニル(PVC)
  4. ポリスチレン(PSt)
  5. ポリカーボネート(PC)
  6. ポリアミド(PA)・ナイロン
PStPCPA
物理特性硬い・パリパリする比較的硬い・耐衝撃性がある柔らかく引き裂きや破断耐性がある
耐ピンホール性
光学的特性透明~高透明透明~高透明透明性は中程度
耐熱性低い高い高い
特徴・用途食品包装でブリスターパックやレタス包装などに使われる
印刷適性がありラベルなどにも使用
熱成型性があり自動車などの加飾用途に使われる
光学用途などもある
その強度や耐ピンホール性を活かした、食品用、医療用の領域で使用される

2.ポリスチレン(PSt)フィルムの特徴

ポリスチレン(PSt)フィルムは、発泡スチロールなどに用いられるポリスチレン樹脂のフィルムです。無延伸、延伸タイプのフィルムがあるようです。

PStフィルムは、そのパリパリした触感が特徴で、レタス包装や、イチゴのパックの上面を包装するフィルムや、厚めならば透明ブリスターパックといった食品包装が用途そして挙げられます。

また、透明性が高く、印刷しやすいのでラベルや保護フィルムにも使われます。耐熱性は熱収縮で変形しやすく低めですが、その熱収縮性からPETボトルのシュリンクフィルムなどの用途が知られています。

PStフィルムの用途としては、その特徴的な硬めでパリパリした触感を活かした食品包装や印刷適性を活かした用途が多いですが、強度や耐熱・耐薬品が必要な用途ではPETなどが用いられています。基本的に汎用用途で低コストが求められる用途で用いられていると思われます。

3.ポリカーボネート(PC)フィルムの特徴

ポリカーボネート(PC)フィルムは、耐衝撃性がありカーポートの屋根などにも使われるポリカーボネート樹脂のフィルムです。

PCフィルムの機能的な特徴としては、機械特性としては耐衝撃性が高い、また耐熱性が高いという点があります。また、耐熱性が高いにも関わらず熱成型が可能という点も特徴的です。その他、電気絶縁性が高い、自己消化性があり難燃である、といった特徴があります。

PCフィルムの用途としては、電気・電子機器部品が主要な用途として知られています。これは、高い耐熱性があること、電気絶縁性が高いこと、難燃性であることが、この材料が電気電子機器材料として広く用いれれている特徴の様です。

また、PCフィルムの主要用途として加飾成型用途もあげられます。これは、耐熱性が高く、かつ熱成型性があるPC材料の特徴が生かされている用途です。加飾成型は、自動車や輸送機器用途で広くニーズのある加工成型の分野です。

その他、PCは透明性が高い、複屈折が小さい特徴から、レンズや導光板などにも用いられますが、光学フィルムとしてPCフィルムを使う用途は限定的と思われます。

PCフィルムはPC樹脂の耐熱性や、熱成型といった特徴を活かした用途において活用の広がりがみられるフィルム材料です。

4.ポリアミド(PA)・ナイロンフィルムの特徴

ポリアミド(PA)・ナイロンフィルムは、ナイロン繊維などで知られているポリアミド樹脂のフィルムです。なお、「ナイロン」は商標から一般名称になってていますが、これ以降PAフィルムと記載します。

PAフィルムの特徴は、その機械強度の強じん性になります。具体的な物性としては、引っ張り強度が高い、引き裂き強度が高い、耐ピンホール性が高い、耐摩耗性が高い、などがあります。フィルムを扱う際の感触としては柔らかくしなやか、という印象です。また、透明性はPETやPPより若干低めです。耐熱性は高く、ポリアミド樹脂特徴として吸水性があり、透湿性は高めです。

PAフィルムの用途としては、その強度や耐熱性を生かした食品包装用途があります。レトルトパウチやボイル用に用いられる袋では、保存状態を保つため保管や取扱い時に孔があかないこと、お湯や電子レンジでの耐熱性、などでPAフィルムの特徴が適しています。PAフィルム単独では吸湿・透湿するので、PEやPPとのラミネート構成が一般的です。また、耐ピンホール性が高いことから、金属部品の包装、医療用包装の分野でも用いられます。

PAフィルムの用途は、その強じん性、耐ピンホール性の特徴を活かした食品や包装用途が主要になります。

5.PSt、PC、PAフィルムを選定する際のポイント

今回のPSt、PC、PAフィルムでは、その機械物性(触感含む)がその材料を選ぶポイントになります。

このうち、PStフィルムはPPやPETなどが用いられる汎用的な用途で、その触感や印刷性、もしくはコストなどを考慮して選択肢を検討することになると思います。

一方、PCフィルムでは材料の耐熱性や成型性、PAフィルムでは強じん性や孔があかない特性など、使用する用途での使い方や必要度によってフィルムの選択肢が絞られます。

このため、フィルムの選定の際には、まず用途と必要機能を検討することで、選ぶフィルムが絞られてまってきますので、今回の記事を参考にしていただけるとうれしいです。

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