技術系企業での知財業務6:権利化の中間対応

知的財産

発明を行った部門で基礎となる特許出願を行い基礎出願日が確定すると、概ね1年以内で外国出願を行い(基礎出願の優先権期間内)、約1年半で特許の公報が公開されるのが通常のスケジュールになると思います。その後約3から5年後に特許の審査の中間対応(オフィスアクション:OA)が始まってきます。発明者にとってはだいぶ時間の経った時期ですが、部門の知財担当者の立場としてはここからが重要な時期になってきます。

権利化の中間対応では、その基礎出願における最先のOAへのアクションが重要になります。特許の権利化というプロセスでは、その審査を行う特許庁によりその出願(以降、本出願)に対する引用文献が特定・提示されるのですが、最先のOAにおけるその引用文献と本出願の対比によって、権利化の流れが決まってくるからです。

実務的には、この際の手法として有効なのが本出願と引用文献のクレームチャートによる比較です。基本的には、構成要件の比較が基になりますが、その構成要件に対する本文内の記載や効果を抽出していくことで、特に新規性、進歩性への対応策が洗い出されてくると思います。この、構成要件-本文記載-効果のつながりや記載は、出願の段階でも大切なのですが、中間対応の経験を積むことで出願時の記載にも生きてきます。また、特許の無効化検討などはこのクレームチャートを基に文献を探すことになってきます。

以上の最先のOAの対応により権利化見通し得られれば、他の国の審査の初回対応策にも役立っていきます。ただし、他国審査で新たな引用文献が提示されたり、他の拒絶理由がある場合もあり、その場合には独自に対応策を検討することになります。

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