技術系の企業で新製品の開発をすると、まず特許の出願、というイメージのある方は多いのではないでしょうか。実際の企業の実務では、特許出願はした方が良いのですが、新製品を上市・販売するのに必須となるのはその製品の特許クリアランスを確認するための侵害予防調査です。
特許クリアランスの確認検討には、まず「イ号」の構成要素を確認します。「イ号」とは法律業界用語ですが、ここでは上市する新製品です。このイ号の構成要素、特に発明の特徴になる要素と、その使われる技術や用途から、クリアランスを確認する範囲を決めることになります。この範囲を決めるのには、特許分類(IPC/CPCやFI/Fターム)やキーワード検索を使うのですが、私もこのような調査ではその道のプロにお願いしました。これにより、数100件から数1000件の文献リストを作り、一通り文献をチェックしていくことになります。チェックは、文献リストをタイトル、請求項等で人の目で確認していく地道な作業が多かったのですが、最近はタイトルや本文をAIなどに確認させランク付けするなどの効率化もされていると思います。ただし、AI活用の場合は、人の目より見落としが少ないかなどのチェックが必要になってきます。
また、特許クリアランスの確認を求められるのは、基本的に新製品開発時が多いのですが、新製品導入後も新たな開発が続いていたり、その製品の売り上げが大きい場合には、特に生産の現場の技術担当部門では、導入後も定常的に特許クリアランスの監視が求められる場合があります。このような場合は、技術担当者のみでは負荷が大きいので、開発や生産の技術部門や知財部と監視のルールや体制を作ることがあります。
特許クリアランスの確認は、特に生産に近いところにいると地道でそこそこの負荷がかかるのですが、企業として売上げの確保できる製品の実施行為(製造行為等)を担保する意味があり、ビジネスと特許の関係を感じる業務だったと思います。


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