職場の知財業務に携わったことから、弁理士という資格について関心を持ち、弁理士試験の学習を始めました。これから、弁理士学習をしてきた中で、知財の各領域や法制度に関する私個人としての感想を記載していきたいと思います。
技術者として関わりのあった特許では、弁理士学習をしてきた中で感じたのは、特許の出願・権利化における、技術系の思考方法と法律系の思考方法の違いと、発明の権利化ポイントの理解です。
ある製品の技術開発では、ステップとして、その製品の課題を把握し(評価法構築)、その課題の解決策のアイデア(仮説)を立て、そのアイデアを実証(改良)する、という「課題把握 → 技術仮説立案 → 実証・改良」という方法があります。また、ある技術シーズや材料を、あるアイデアで実証し、その効果を活用するという、「技術→実証→課題解決」という方法もあります。技術開発現場では、このような仮説と実証サイクルで開発するスタイルが多くなります。
一方、これらの技術を発明として特許出願する場合、まずその改良した製品の「構成要件」を明らかにし、構成要件の近い「先行技術」を把握し、先行技術に対する差異点を中心に発明を構成する、という形で検討します。このような形は、法律系の議論形式として一般的な「要件と効果の対比」して論じるスタイルに沿っていると思われます。
また、特許出願の審査等では、上記の要件と効果の対比に沿って、新規性(特許法第29条第1項)、進歩性(同第29条第2項)、のロジックが立てられ、審査や反論を検討するスタイルが理解できるようになりました。また、特許権は公的な権利であるため、発明の審査で、サポート要件・実施可能要件(同第36条第4項第1号)、明確性欠如(同第36条第6項第2号)、が要求されるという法制度上の意味がわかるようになりました。一方で、特許の実質的な審査においては技術的な論理性が重要で、審査の拒絶に反論する場面では明細に書いた技術的なロジックの記載が有効なことを経験上理解してきました。
弁理士学習の中で、技術者におけるステップワイズな思考方法と、法律的な思考方法の差を個人的ながら理解できたことは、私の知財経験として価値がありました。


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