次に、日常業務のプロセスの中で、経営に資する能力向上を図る、という場合はどのようなことが可能なのでしょうか。
以下にさまざまな部門・活動の中で、経営資源に資する能力の具体例を以下にあげてみました。例えば技術開発部門で見てみると、「アクション」→「目的」として、試行錯誤の記録(レポート)→技術創出力の蓄積、プロジェクト振り返り→開発マネジメント力向上、技術ナレッジの共有→組織的な技術資産形成、となります。私の個人的な会社組織の技術部門経験としては、これらの「アクション」は、業務の基本のアクションとして組み込まれ、定型的な型と議論していく文化があったように思います。
このように見ていくと、「経営に資する能力」とは、組織のプロセスの中で何を考えどのように動くと課題解決や成果に結びつくかをメンバーの中で思考や習慣づけていく内容、と言えるのではないでしょうか。そして、これらは日常業務の中で、組織内の教育や文化という形で活動されていくのではないかと思います。
| 部門・活動 | 日常業務 | 能力向上アクション | 具体策【目的】 |
| 調達・物流 | 調達・在庫・物流管理 コスト・納期最適化 | 1. 需給調整の振り返り 2. 交渉の振り返り・共有 3. サプライヤー情報の蓄積 | 発注結果と需要予測の差を確認、「余剰/欠品」の分析【需給調整力蓄積】 価格交渉の結果記録、成功パターン・失敗要因共有【調達交渉力が組織に残る】 納期遅延・品質問題記録、サプライヤー評価リスト更新【リスク管理能力向上】 |
| 製造・品質管理 | 製品の生産性と品質維持 安定供給と品質確保 | 1. 問題発生時の原因分析 2. 作業改善の習慣化 3. 標準作業の更新 | 不良・トラブル時原因特定(なぜなぜ分析)、再発防止策【品質作り込み力強化】 作業時間・動作ムダ発見、小さな改善を毎日実施【改善能力蓄積:カイゼン】 改善結果を作業手順書反映、誰でも同じ品質【組織として再現性向上】 |
| 販売・ アフターサービス | 受注獲得と顧客フォロー 販売活動による売上拡大と 顧客満足向上 | 1. 商談・対応の振り返り 2. 顧客情報の深掘り 3. 対応品質の標準化 | 成約・失注理由を分析、顧客ごとの傾向を蓄積【顧客獲得力向上】 顧客の課題・要望を記録、次回提案に活用【ニーズ把握力強化】 成功営業トークや対応方法共有、FAQや対応マニュアル整備【組織の営業力向上】 |
| 技術開発 | 製品開発と技術改善推進 技術力向上と製品競争力強化 | 1. 試行錯誤の記録 2. プロジェクト振り返り 3. 技術ナレッジの共有 | 試験結果・失敗事例を必ず残す、仮説と結果の関係整理【技術創出力蓄積】 開発終了時にレビュー実施、遅延・課題の原因分析【開発マネジメント能力向上】 設計ノウハウ・仕様蓄積、技術レポート・知的財産化【組織的な技術資産形成】 |
| バックオフィス (人事・財務 ・法務・IT) | 人材・資金・情報の運用管理 業務基盤と社内ルールの 維持運用 | 1. 業務の標準化・見直し 2. データ分析の習慣化 3. IT活用の推進 | 手順書・ルールを整備、無駄な業務を削減【業務設計力・運用力向上】 月次で数値を分析、予算との差異原因を確認【財務・分析能力蓄積】 手作業をツールで置き換え、業務の自動化を試行【情報基盤活用力強化】 |


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